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池袋の「ニシイケバレイ」に、⼤都市ならではの課題に地域密着で取り組む秘けつを聞いてみた
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池袋の「ニシイケバレイ」に、⼤都市ならではの課題に地域密着で取り組む秘けつを聞いてみた

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はじめまして!NTT東⽇本ビジネス開発本部の⼤瀧です。私は⽇ごろ地域社会の課題をICTで解決する「REIWAプロジェクト(※)」のサービス開発に取り組んでいます。
※Regional Edge Interconnected Wide-Area Networkの略。NTTのアセットを活用して地域課題を解決し、地域貢献するNTT東日本のプロジェクトの総称

私は休⽇によく池袋に行くのですが、その池袋では地域密着で都市の課題解決に取り組むプロジェクトが多くあると聞きました。

ということで、今回は前後編に分けて、池袋における地域課題の解決に向けた取り組みをご紹介します。

まず前編では、ニシイケバレイさんの取り組みについてです。池袋駅⻄⼝からのびる要町通りを歩くこと5分、通りから⼊った区画で新しい都市空間を作り出すべく実験を繰り返す⼀⾓がニシイケバレイです。

今回は、ニシイケバレイのオーナーである深野弘之さんにお話を伺いました。

インタビュー対象者
インタビュアー&記事を書いた人

地域にひらく新たな都市空間をめざす「ニシイケバレイ」とは

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ニシイケバレイHPより

⼤瀧
まずは、ニシイケバレイを⽴ち上げた経緯と概要を教えてください。

深野
私の家系は元禄時代からこの地に住んでおり、私で17代⽬になります。敷地には中央に位置する平屋のほかマンションや⽊造アパートなど複数の建物があるのですが、これまで建物がそれぞれ建つ形で相互の繋がりはあまりありませんでした。これらを「⾯」で繋ぎ、エリアとして付加価値がつけられればと思い、ニシイケバレイと名付けて、様々な取り組みをプロジェクトとして進めています。

⼤瀧
具体的には、どのようなプロジェクトがあるのでしょうか?

深野
まずは、横のつながりを出すべく⼀階部分がひらけるように平屋を囲う塀を取り払い、その平屋を2020年7⽉に改修し、「Chanoma」と名付けてカフェにしましたこのChanomaをエリアの中⼼ととらえて、交流の場にしたいと考えています。

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Chanomaの前庭。ニシイケバレイの施設にはエリアで統一したデザインの表示板を設置

深野
店舗や住宅としてのリースは、マンション(コーポ紫雲)一階の一室を器のショップ(うつわbase FUURO)、そのとなりにある別の木造アパートはフルリノベーションし、一階を和食の店舗(わく別誂、寄り路処ふう)、二階をコワーキングスペースとシェアキッチン(Attic)としました。シェアキッチンはただ厨房として利用いただくだけでなく、食品の販売や食事会の催しなど地域にひらく形での使用をお願いしています。

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Atticのコワーキングスペース。柱などアパートの元の部材を生かした温もりのある内装が特徴的

大瀧
ここ(Atticのコワーキングスペースがインタビュー場所でした)の柱は、等間隔のほぞ穴(写真右側)がそのままになっていて面白いですね。

深野
六畳一間の部屋が5部屋並ぶ配置だったので、その穴はおそらく押し入れだった名残ですね。

深野
変わりどころとして、以前は使っていなかった駐輪場の屋上をTerraceとして開放し2020年12月よりパルクールのワークショップなどを開催する施設として利用しています。あと、次に計画しているのは月極駐車場の辺りで、既設のプレハブ小屋を図書館にしようと考えています。

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パルクールの機材が並べられているTerraceの様子

新たな取組みを生み出し続けるポイントは立ち上げから誰に頼むか考えること

大瀧
思っていた以上に様々なジャンルの取り組みが広がっていて驚いています。継続的にアイデアが出てきて、しかもそれらを実現できているのはなぜでしょうか。

スタッフ
ニシイケバレイがチームとして動いていて、プロジェクトに様々な方が関わっているのが大きいと思います。チームには不動産コンサルタントをはじめ建築家やインテリアデザイナー、プロデューサーといった多様なコアメンバーがいて、メンバー同士で意見をぶつけたりメンバーの知り合いで専門の方に協力をお願いするなどして進めています。

大瀧
なるほど。一方で取り組みが増えていくと手が回らないというか、勢いづけてスタートしたものの燃え尽きてしまったり、運用面で立ち行かなくなったりはしないものでしょうか。

深野
いいのを作るぞ!というよりは、日々の話し合いの中でできれば笑いながら「こんなことやりたいね」と気兼ねなく話して、できる範囲で進めているのが良いのかなと思っています。新しい取り組みを「やります!」と周りに向けて声高にはじめるよりは、”しれっと”やり始めて、周りの反応を聞きながら進めるのが寛容に受け入れられるためのコツなのかもしれません。

あと、頑張らず持続するような取り組みにするために、立ち上げる時点で運営を誰に頼むかを考え管理自体は運用委託などアウトソースするようにしています。

大瀧
ありがとうございます、よくわかりました。では少し違う角度から、プロジェクトチームの中でオーナーとしての深野さんは、どのようなタイプなのでしょうか。

スタッフ
トップダウンでもボトムアップでもなく、不思議な形ですね。深野さんがビシッと「これだ!」と決めるのではなくて、アイデアを立場の分け隔てなく意見交換をして話し合いながら徐々に固めていく。コアメンバー同士はもちろんなのですが、たとえば、ニシイケバレイを今後どうしていくのが良いかを深野さんからテナントの方にヒアリングしたりするんですね。貸店舗のオーナーとテナントの関係ではなかなか珍しいと思います。それが面白いですし、ニシイケバレイの良い雰囲気につながっていると思います。

大瀧
お話していても、その感じはなんとなく伝わってきていました(笑)。

都市の課題に触れ、次の世代に継いでゆく新たな形を模索する

大瀧
池袋にほど近い場所ということで、都市部の地域としての課題感はいかがでしょうか。

深野
としま会議という豊島区で活躍する人々の交流を促すイベントを通じて大家が所有する不動産物件を地域に開く事例が区内にあることを知り、お手本にしたいとかねてから思っていました。都市部は極端な人口減には晒されていない一方で、地域内の横のつながりが希薄です。子供たち次の世代に安心して暮らしてもらえるよう、様々なつながりを模索して子供が元気いっぱい遊べる空間が作りたいなと思っています。

ハード(施設)の整備はある程度進んできたので、運動会だったり焼き芋を売ったり今後はソフトとなるいろんな取り組みをやっていって、どれかを目当てに訪れた方がそれをきっかけに他の取り組みにも触れてもらって、エリア内を回遊するような様子が見えると面白いですね。

大瀧
ふむふむ、そういった取り組みの相談をする場ってどのようなときなのでしょうか。

深野
家族で近くに住んでいるメンバーが多いので、プロジェクトの用事がてら子供と一緒にニシイケバレイに来て話すことが多いですね。そういう意味では、チームには「この地域で生活してこの地域で老いていく」という当事者性があり、それがプロジェクトを進めていく力になっているのかもしれません。

大瀧
よくわかりました。都市部における地域のあるべき形というのは、どのようなイメージをお持ちでしょうか。

深野
特に集合住宅だと近隣の方との接点があまりないので、一階に降りていけばいつもの顔が見えるという感じが理想ですね。ともあれそのハードルは結構高いので、いろいろな取り組みを通じて”家の外にはみ出す人”が増えれば面白いなと思っています。そのための仕込みを進めていきたいです。

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Chanoma裏手の様子。車の通れない幅の私道に植栽やベンチが設置されていて「何があるのかな」と奥に誘われるような空間

まとめ

ニシイケバレイの深野さん、スタッフの方にお話を伺いました。都市部での課題と解決のためのアプローチ、たくさんのプロジェクトを進める様子は参考になる部分があるのではないでしょうか。

ニシイケバレイの活動の様子やイベントの最新情報は、Instagramでチェックできます。

後編では、ひがいけポンドさんが提唱する「まちのインディーズ・レーベル」についてご紹介します。記事の公開をお楽しみに!


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