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行政も市民も「絶妙な距離感」が大切!尾道空き家再生
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行政も市民も「絶妙な距離感」が大切!尾道空き家再生

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プロジェクト副理事が考える街づくり論

こんにちは!ネクストモードの里見宗律です。

今回は、広島県尾道市で有限会社いっとくの代表と、NPO法人尾道空き家再生プロジェクトの副代表理事をされている山根 浩揮さんにお話を伺いました!

まず前編では、「瀬戸内の十字路」として古くから繁栄してきた港町・尾道の魅力から、山根さんの直近の取り組みまでをざっくばらんに語っていただきました。ぜひ、最後までご覧ください!

インタビュー対象者
インタビュアー&記事を書いた人

全国でトップクラスの空き家を再生する「尾道空き家再生プロジェクト」

里見
本日はよろしくお願いします。まずは、山根さんから見た「尾道の魅力」について、教えていただければと思います。

山根
一般的には寺とか坂とか、映画・文学の街と言われていますよね。歴史的には戦災で焼かれていないので、歴史的な建造物が残っています。また、隣町が福山市と三原市で元々は城下町だったこともあって、尾道は北前船が寄港して受け入れる文化がある港町で、商人の街だったわけです。そんなことから、おもてなしということで、尾道には大きな遊郭街もあったんですよ。

その遊郭街が、近代になってスナック街になったわけですが、そこでシャターが開いてるのが300のうちの半分くらい。僕は、そこを少しでも再生できないかなということで、飲食を通して街づくりをしているわけです。

里見
300件もあるって、すごいですよね。

山根
昭和4年に発売された『全國遊廓案内』という文献で、たしか遊郭には遊女が280人いたって書いてありましたね。昭和30年の別記録でも、やっぱり130人くらいおられたという。

里見
へぇー!すごいですね。山根さんがやっている「尾道空き家再生プロジェクト」(以下、空き家再生プロジェクト)とは、どんな取り組みなのでしょうか?

尾道空き家再生プロジェクト

山根
まずは自分の会社「有限会社いっとく」で、カフェとかゲストハウスとかを20店舗やっています。それとは別に、空き家再生プロジェクトはNPO法人でやっていて、そこでは20店舗とは別でたくさんやっています。ぜひホームページを見てもらいたいのですが、すごくアカデミックだしみんな真剣だし、日々めちゃめちゃ議論しています。すごくパワーがある団体ですよ。全国でトップクラスの空き家を再生するNPOとして、政府の大臣クラスも来るような法人になっています。

商人が市民を大事にする。そんな歴史背景がある尾道

里見
地元のものを使って再生して街を盛り上げていくって、東京とかから資本を持ってきて盛り上げるのとは、違う良さがありますよね?

山根
東京のデベロッパー任せのことを尾道のような地域カラーがあるところでやると、「そんなもんいらんやんか」って、景色が合わないでしょってなります。以前、作家・林芙美子さん『放浪記』の一節「海が見えた。海が見える。」で描かれた駅前の場所にJRが土地を持っていて、それを尾道市に売るといったら「いらない」って言ったもんだから、なんとJRがデベロッパーに売ったわけですよ。駅に着いて広がる景色に、なんとマンションが建つと。それで尾道が大騒動になって、市民が猛反対して、結局は血税で買い戻したっていう話なんです。

その時に初めて「これではいかん」となって、景観条例として建物の色の規制とか階数制限とか、地域で決められるようになったんです。

里見
その中での「空き家再生プロジェクト」って、また意義深いですね。

山根
とにかく、海と山がめちゃめちゃ近くて、海も尾道水道が日本遺産に選ばれるなどして景色が素晴らしいのが魅力ですね。

他にも最初にお伝えした通り、お寺がたくさんありますよね。かつて江戸時代に飢饉になったりすると、商人たちが寺を建てようかと提案していたわけです。寄贈することで、市民も食いっぱぐれなくて済むと。だから、尾道市民は餓死者がほとんどおらんかったという話もあるくらい、商人が市民を大事にしていたんです。それに加えて、戦争になっても焼かれなかったことも大きいですね。

山の方を尾道では「山手(やまて)」と言って、尾道三山があるのですが、ここに空き家がいっぱいあるわけです。狭い傾斜地で、人力でしか行けない。だから大家さんもコストがかさむので、どんどんと放置された空き家が残っていったんです。このままだと、寺巡りの財産がどんどんと失われていって「廃屋巡り」になってしまう。だから、一件一件やっていこうということで、僕らが始めていったのが再生活動の始まりです。

そもそもが「好き」から始まっている

里見
昔の商人の「住民を守る」という思いが、今も連綿と続いていて受け継がれているんですね。

山根
でも、僕が商売を始めたのは19とかそれくらいの話なので、そんなことは全然考えてなかったですね。どちらかというと、僕の場合は古いものが好きだったんです。最初は古着から始めて、古民家カフェみたいなこともやり、今では空き家プロジェクトをやっている。今と通ずるのは「あるものを生かそう」という考え方がつながっているんだと思います。

里見
好きでやっているってのがいいですね。社会正義でやっているだけじゃなくて、そもそもが「好き」から始まっているという。

山根
NPOの理事メンバーはみんなそうで、「残すためにはどうしたらいいか」という議論から始まって、色々と知恵を絞っていくわけですよ。例えば北村洋品店という、サロンに改修した家屋の床下から、工事の途中で「井戸」が出てきましたと。そのまま潰せばいいんでしょうが、「どうせ井戸端会議する場所だから井戸を上げなさいよ」ということで、床下にあった井戸の上の方の石を文字通り上に上げて、透明のパネルを置いてデスクにして、そこで会議とかをしているわけです。

里見
もうコストじゃなくって、愛でやっている感じですね。

山根
ホームページを見ていただくと分かりますが、空き家 × アートみたいな、「空き家 × ◯◯」という色々なコンセプト項目がありまして、そういうことが大事だと思っています。

行政とは、お金を介さない形での持ちつ持たれつの関係

里見
今お話しいただいたような取り組みを伺うと、地元の方も応援してくれるんじゃないですか?

山根
そうですね。賛助会員はほぼ個人で100くらい参加してくれていますよ。井戸端会議でどんどんと活動を盛り上げていっている状況です。

里見
すごいなと思ったのが、行政の助成金とかに依存しているみたいな空気が一切なくて、発案から完成まで民間主導でゴリゴリやっているのが成功要因の一つなのかなと感じました。

山根
どうやって街づくりを進めるかとなったとき、「行政や政治だな」ってなったら、僕や理事長なんかはいつも「そんなことないっすよ」という話をしています。行政とは、「お金を介さない形での持ちつ持たれつ」関係ですよと。

里見
そうじゃないと続いていきませんよね?

山根
尾道市の風土として、商人の街というのも関係しているのかもしれません。自立していくみたいな。移住してくる人もそんな感じの人が多い気がしますね。付きすぎず離れすぎずの距離感をみんな保っているんです。緩やかなコミュニティみたいな。もちろん、何かあったらみんな顔を知っているみたいな、そんなのが尾道の特徴だと思います。

以上、山根 浩揮さんインタビューの前編をお送りしました。尾道の魅力はもちろん、山根さんによる自身の気持ちに素直な取り組みが、結果として魅力的な地域づくりへとつながっていることがお分かりになったと思います。

後編ではさらに、コロナ禍以降の変化や未来に向けた考えなどについてのお話を配信します。お楽しみに!

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