普通のOLが高知県にワーケーション施設を作ったワケ 〜【里見宗律のワーケーションのすゝめ #2】
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普通のOLが高知県にワーケーション施設を作ったワケ 〜【里見宗律のワーケーションのすゝめ #2】

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こんにちは。ネクストモードの里見宗律です。今回は、実際に現地で地方創生をになっている、想いをもった方へのインタビューとなります。

最初のインタビュイーは、高知県日高村にあるゲストハウス「とまとと」を運営している小野加央里さんです。昨年20か所以上のワーケーションを行った私が、いま最も興味深いと思っている施設です。

「これからの観光」を考えるにあたってざっくばらんにお話いただきましたので、ぜひ最後まで読んで頂ければと思います。

インタビュー対象者

図1

インタビュアー&記事を書いた人

図2

「ワーケーション」という言葉が普及する前からのワーケーション実践者

図3

<インタビュー時の様子>

里見
本日はよろしくお願いします。早速ですが、小野さんはいま高知県の日高村で「eat&stayとまとと」というゲストハウス運営をされていますが、元々は東京で広告関連の会社に勤めていたと伺いました。
なぜそこを辞められて日高村へと移住されたのか、そのいきさつについて教えてください。

小野
広告の仕事はすごく楽しかったのですが、2011年の東日本大震災を体験したことが「生き方」を考えるきっかけになり、もっと地域のために活動ができたらいいなと思い、全国でボランティア活動をはじめました。そのひとつが、ここ高知県の日高村です。

ボランティア活動が続くにあたって、どんどんと日高村の皆さんのことが大好きになっていき、訪問頻度が上がって月イチで通うようになりました。ですが、その時はまだ日高村には泊まる場所が無かったため、いつも私は高知市内に泊まっていました。

「私が泊まれる宿が日高村に欲しい。」この想いから、思い切って企画書を作ったことで、いろいろなご縁が繋がり、いま一緒に産学官民でやらせていただいている「とまとと」が出来上がっていきました。

里見
宿が一軒も無かったということは、人口はどのぐらいの村なのでしょうか?

小野
5,000人弱になります。

里見
小野さんはその時はまだ、東京で仕事を持っていたんですよね?どんなライフスタイルだったのでしょうか?

小野
例えば東京・銀座を金曜日の15時ぐらいに出ると、高知にはその日の夜に到着するんですよ。それから残りの仕事をカチャカチャってやって、土日は遊んで、翌日も大丈夫であれば日高村に居るという感じです。調整できる場合は、だいたい1週間ぐらいは村に居るという生活をしていましたね。もう6年くらい前の話ですが。

里見
まさにワーケーションですね!6年前、まだ言葉が普及する前から実践されていたのはすごいと思います。

観光より面白い地域コンテンツは「日常」

図4

<仁淀川でのひとコマ>

里見
いま、全国で色々なワーケーション施設ができていて、自分も様々な場所でワーケーションをしていますが、成功している所はまだまだ少ないと感じています。そんな中で、私が「とまとと」をすごく面白いなって思うのは、単なるハコモノではない「人と人とのつながり」や「コトの経験」をすごく重視している点にあります。成功の要因はそこにあるんじゃないかなと。

小野
「とまとと」自体はまだできて2年ほどですので、正直、まだまだうまくいっているとは言えないですよ。ただ、意識していることはありまして、例えば高知を楽しみたいと言ったら、一般的には「高知城」を観光として案内すると思います。でも日高村の場合は、観光という考えにとらわれない面白さがあるんです。

例えば、日高村を流れる仁淀川では、おじちゃんたちが朝4時ぐらいに起きてウナギを取りに行きます。仁淀川では天然のウナギが獲れるんですよ。それを普通に朝獲って、仕事に行って、夜食べるという、観光ではない「日高村の日々の暮らし」がめちゃくちゃ面白いのです。

図5

<早朝のウナギ釣り>

里見
なかなか都会では体験できないことですね。

小野
そういった、日高村のみんなが当たり前だと思っている、ウナギを獲ったり生姜を掘ったりということが、外から来る人達にとってはすごく面白いわけです。ですから、「その土地にある暮らしを体験できるコンテンツ」が、ワーケーション施設に限らず、地域にある建物や施設の魅力を伝えるために必要なものなのではないかと考えています。

よそ者だからこそ地域コミュニティに提案できたこと

図6 16.29.20

 <「とまとと」の1階は、とまとづくしの喫茶エリアです>

里見
人口5,000弱の村ですと、「外から若い女の人がやってきて何かやっている」ということで注目されたり、「ちょっとコミュニティに入りにくい」ということがあり得ると思うのですが、その辺りはいかがでしたか?

小野
最初はあったと思います。そもそも「ボランティアをしに行きたい!」とメールした時に怪しまれました。返信が帰ってこなかったのですが、半年ぐらい経ってから「やっぱり行きたい!」と、もう一回ストーカーのように「行かせてください!ボランティアに!」とメールを送って、ようやく行かせてもらったという経緯があります。そこまで食い下がってでもお願いして良かったなと思うのは、やはりボランティアをきっかけにできる友達の存在ですね。その時の繋がりから、地域の色々な人に紹介してもらうことができたんです。最初の入り口で顔見知りや友達ができると、地域のコミュニティに馴染みやすいということは、ひとつのポイントだと思います。
 
里見
私が「とまとと」を面白いと感じたもうひとつの側面が、関係者が行政の人か民間の人かがわからないという点です。他の施設では、服装や振る舞いにそれぞれの温度差があって、何となく行政の人か民間の人かの察しが付くことが多いです。でも「とまとと」では、後から「あの人は行政の人だよ」「あの人は民間の人だよ」と聞いて驚くことが多かったわけです。つまり、行政が予算主義で作った単なるハコモノ施設ではなく、民間が自走している雰囲気があったからなんじゃないかと考えています。そういうエネルギーを感じました。

小野
そもそも私が「宿の企画」を持ち込んだり、私のボランティア先のNPO団体が「とまとと」の運営に関わってくれていたりと、いわゆるハコモノを作る時の最初の入り方が、よくある地域の施設とは全然違うのも、ひとつの要因だと思います。

図7

<吹き抜けで風通しの良い、とまとと>

里見
なるほど。よくある流れは、議会で予算があるから「じゃあハコモノを作ろう」と決定していく形だと思うのですが、「とまとと」はよそ者が「作ってくれよ!」と言うから作っちゃったと。

小野
その時に持ち込んだ企画のテーマは、「いきつけの田舎が絶対に、今後増えていった方がいい」です。「いきつけ居酒屋」みたいに、気軽に田舎に行って、ふわっと気分転換やストレス発散をして、また東京へ戻って仕事する。そんなコンセプトです。

例えば、日高村で出来た私の友達の一人に86歳のお爺ちゃんがいまして、その方は“長老”って言うのですが、私は「長老元気~?」って挨拶をするんです。こういった、東京では出会えない、世界も価値観も生き方も全然違う方と友達になることで、自分がすごくリフレッシュされるわけです。そんな実体験から考えたのが、この「いきつけいなか」という企画コンセプトなんです。

 里見
本当に面白いですね。実体験から作った企画というのは、すごく説得力があります。

地域の魅力を100%伝えるために

記事に収まらなかったインタビュー前半は、こちらからご覧ください。

以上、とまととインタビューの前編をお送りしました。「とまとと」が興味深い施設だと感じられた方は、多いのではないでしょうか。

後編ではさらに日高村の魅力について小野さんにインタビューします。

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【YouTube:年間136日ワーケーションで過ごした社長のこだわり持ち物 10選!】


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