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池袋の「ひがいけポンド」に、⼤都市ならではの課題に地域密着で取り組む秘けつを聞いてみた
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池袋の「ひがいけポンド」に、⼤都市ならではの課題に地域密着で取り組む秘けつを聞いてみた

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こんにちは。NTT東⽇本ビジネス開発本部の⼤瀧です。私は⽇ごろ地域社会の課題をICTで解決する「REIWAプロジェクト(※)」のサービス開発に取り組んでいます。
※Regional Edge Interconnected Wide-Area Networkの略。NTTのアセットを活用して地域課題を解決し、地域貢献するNTT東日本のプロジェクトの総称
 
私が休日によく行く池袋では地域密着で都市の課題解決に取り組むプロジェクトが多くあると聞き、今回は後編としてひがいけポンドさんの取り組みをご紹介します。

今回も池袋の地域密着型課題解決取材ということで、本記事では、前回の⻄池袋から駅を挟んだ東側、東池袋についてお伝えします。

前回の西池袋から駅を挟んだ東側、東池袋でホットな場所といえば家族連れで賑わうイケ・サンパーク。そこからほど近い小さなビルにあるのが「ひがいけポンド」です。

ひがいけポンドの外観。イケ・サンパーク沿いの道路から見える丸い看板が目印です

今回は運営に携わる森正さん、伊藤さん、湯浅さんにお話を伺いました。

左より森正さん、伊藤さん、湯浅さん

まちのインディーズ活動を⽣み出す「ひがいけポンド」とは

大瀧
今日はよろしくお願いいたします。早速ですが、ひがいけポンドのある東池袋の地域の課題を教えてください。

森正
こちらこそよろしくお願いします。東池袋は古くからの住宅街で住民の高齢化が進んでいる地域です。一方でイケ・サンパークのような公共施設や大規模集合住宅の再開発が進んでいて、近年は若い子育て世代の流入が多いです。新旧住民間の交流が少なく、いわゆる世代間の分断が課題です。街づくりを進めるうえでの合意形成が難しくなりますし、地域としての関係性が途切れてしまう恐れがあると考えています。

大瀧
ありがとうございます、ひがいけポンドの成り立ちと取り組みについて教えてください。

森正
都心の木造密集地帯の不燃化率向上と先ほどの課題を解決するべく地域にひらく拠点づくりを目的としたUR都市機構さんによる公募案件で、それぞれ得意分野の異なる3人でチームを組んで応募したのがきっかけです。2021年11月にオープンして、今月(2022年3月)で4か月になります。

ひがいけポンドはURの所有物件であるポンドビルにて「まちのインディーズ・レーベル」をコンセプトに掲げるポップアップストアを運営しています。少しユニークなのは、利用希望者だけでなく私たち自身も企画を持ち込んでポップアップストアを運営し、地域の方と触れあうことを重視しています。

また、2階のワークスペースにはポップアップストアの出店権が付帯するメンバーシップ制度があります。

大瀧
なるほど、オープンから4か月運営してみて見直したところはありますか。

湯浅
ワークスペースはオープン当初はいわゆるドロップイン形式だったのですが、よりコミュニケーションの機会を保てるようにメンバーシップの会員制に変えました。
※ポップアップストアでの出店は、メンバーシップに限らずどなたでもお申込みできます。

大瀧
変えてみての感触はいかがでしょうか。

森正
ワークスペースとしては最小限の設備なので、変えるときは果たして登録してくれる人が現れるのか不安でした。結果として既に数人の方に会員登録いただいていており、複数のポップアップストアやイベントに積極的に関わってくれるメンバーが現れるなど、予想を上回る手応えを感じています。

2階にあるワークスペース。インタビューを行った1階とは吹き抜けになっていて一体感のある空間

大瀧
良いですね。一般的なコワーキングスペースと様子が違うところはありますか。

森正
フリーランスや個人事業主の方が集まるコワーキングスペースですと、コミュニティとして交流する目的が仕事を紹介してほしいとかメンバー同士で仕事を回したいというような自己のビジネスに直結する繋がりを期待することが多いのかなと思います。ひがいけポンドでは、仕事とは異なるたとえば趣味の話題で地域や同年代の方々と交流するような、そんなゆるい繋がりに価値を感じています。

湯浅
そうですね、自宅やカフェでは落ち着いてリモートワークができないという方がサードプレイスとしてワークスペースを利用しつつ、仕事とは別のことで地域の中につながりを持ちたい。ニーズとしては、その両軸で受け入れていただいているのかなと思います。

ポップアップストアを彩るインディーズ企画に込める想い

大瀧
ではその繋がりとなる、ポップアップストアの取り組みについて詳しく教えてください。

森正
ひがいけポンドでは「まちのインディーズ・レーベル」と題して、自身の”趣味以上小商い未満”の関心ごとをこの場所を使って地域にひらいてもらうことを考えています。それによって自身の新しい可能性を掴んでいただくきっかけにする、まちも新しい交流によって賑わう、耕されていくような状態を目指しています。インディーズレーベルというのは音楽のメジャーレーベルとの対比です。まだ未完成で粗削りだけどやってみたいというテーマを持つ人たちがそこかしこにいるはずで、自分たちがそんな人たちを発掘していきたいという想いを込めています。そのために、自分たちが持ち込む企画にはまだやったことのないテーマを選んでいます。例えば、クラフトコーラとか。

伊藤
クラフトコーラは私ですね(笑)。実家で自作コーラの試作をしていたことがあり、ここで作って出店してみようか、となったものです。あと最近はシルクスクリーンでオリジナルグッズの作成にチャレンジしていまして、そのシルクスクリーン体験の教室を企画しています。

大瀧
本当に今取り組んでいることを企画にすることで、コンセプトを体現しているんですね。すごいです。一方で、個人の趣味を出店という形で外に向け発信していくのにはそれなりの心理的なハードルがあると思うのですが、そこを後押しするような取り組みは意識されていますか。

森正
はい、まず出店希望者やメンバーシップ会員との日々のコミュニケーションの中で、それぞれの持つアイデアについて運営も一緒に考えたり意見交換したりとケアやサポートをしながらアイデアを育てることを意識しています。

出店する・しないの中間の選択肢を提案

森正
それから、出店をする・しないの中間となる選択肢として「ひがいけインディーマーケット」というイベントを毎月開催しています。ひがいけポンドで初めて出店する方向けの合同出店市です。一人だと感じがちな不安やリスクをなるべく少なくし、初めての方同士で交流していただくことがねらいです。日取りを決めていきなりお店をお任せするのではなく、まずはインディーマーケットで試してみませんかと提案する感じです。

大瀧
それは確かに良さそうですね。

森正
インディーマーケットの出店者を随時募集中なので、よかったらぜひ!

大瀧
おおっと、これは僕がアイデアを考える話の展開ですね(笑)。

森正
募集中なのは置いておいて、出店者に場所だけ提供してお店を任せきりにするのではなく出店にあたってのサポートを強く意識しています。例えば食品を販売するのであれば衛生管理についてのレクチャーや事前チェックを行いますし、あとは出店時に運営も客として顔を出します。特に出店中の訪問は内容について純粋な興味があるのはもちろん、そこに来訪されるお客様とコミュニケーションを取って出店者へのフィードバックにつなげたり、ときにはそこから次の出店者候補が見つかることもあったりとサポートの一環としてよく機能しているからです。

大瀧
Instagramで更新されている出店カレンダーを見ると、土日を中心にスケジュールが続々埋まっていく様子が見えます。これはいろいろな工夫と丁寧なサポートの賜物というわけですね。
ちなみに近隣からの来訪者の様⼦はいかがですか?

湯浅
来訪いただく客層は子持ち世代のお勤めの方と高齢世代が多いですね。イベントのジャンルを問わず顔を出してくれる印象があります。一方で学生など若者層は、今現在はあまり多くありません。サンシャインシティといった若年層に人気のある商業施設も近くにありますし、イケ・サンパークのとなりで東京国際大学の新しいキャンパスが目下建設中で周辺にいくつか大学もありますので、今後は学生さんや留学生さんたちとの接点も作っていきたいなと思っています。

運営も新しい繋がりを通して楽しんで取り組んでいく

大瀧
最後に、今後こういうことをやりたいなどみなさんそれぞれの展望を教えてください。

伊藤
いろいろな街づくりに取り組んできましたが、これまでは個人でその地域との繋がりを持つことがあまりありませんでした。ひがいけポンドでは仕事としてはもちろん、趣味やポップアップストアを通じて個人としての新しい友人を見つけられるといいなと思っています。ここで知り合った方の料理教室に今度行ってみようと思っているんです。

湯浅
建築という仕事柄、全国の様々な地域に訪れるのでその土地にまつわるコンテンツをひがいけポンドを通して地域の皆さんに紹介していきたいと思っています。”食”はコンテンツのひとつとして幅が広いし、実際にご近所さんとの繋がりも出来てきていていいなと思っています。私の企画「ジンジャーランド」がその一環です。

森正
個人の時代と言われる中で、ひとりで社会に立ち向かうのではなくてもっとみんなで集まって小さな交流を通して社会と向き合っていくことができないかと考えてきました。ひがいけポンドのインディーズ活動は、遊びも学びも仕事も一緒くたにして何かを探求するようなコミュニティづくりにつながると思っています。そんなインディーズ活動の機運を高めるような活動をしてきたいと考えています。

ローカル人材が参考とするべき姿勢

ひがいけポンドの森正さん、伊藤さん、湯浅さんにお話を伺いました。地域とのゆるい繋がりをつくるべく運営者自身が企画を持ち込み、出店者を丁寧にサポートしていく様子は参考になる部分があるのではないでしょうか。

ひがいけポンドの活動の様子やイベントの最新情報は、Instagramでチェックしてみてください。
https://www.instagram.com/higaike_pond/

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