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なぜ、eスポーツは地域活性化の施策として注目されているのか 〜NTT東日本 Solution Forum 2022レポート
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なぜ、eスポーツは地域活性化の施策として注目されているのか 〜NTT東日本 Solution Forum 2022レポート

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こんにちは!LOCAL SHARE CLUB編集部です。

2022年1月24日〜28日にかけて、NTT東日本が主催したオンラインイベント「NTT東日本 Solution Forum 2022 ONLINE」が開催されました。こちらは、各産業領域でのDXや地域活性化など、通信分野にとどまらない「地域循環型社会」実現に向けたNTT東日本グループの取り組みを、さまざまな角度から紹介していく大規模カンファレンスです。

今回はその中から、株式会社NTTe-Sports 代表取締役副社長であり、茨城県eスポーツアドバイザーや超教育協会のフェロー等を務める影澤潤一氏が登壇したセッション「eスポーツの現在の課題と2022年の方向性について」の内容を、前後編に分けてレポートしていきます。

まず前編では、eスポーツの定義と、産業として現在抱えている課題についてのパートをご紹介します。

登壇者

はじめに、eスポーツとは

本記事をご覧の方の中には「eスポーツという概念が初めてだ」、という方もいらっしゃるでしょうから、まずはその言葉の定義等について、改めてご説明したいと思います。

「eスポーツ」とは「エレクトロニック・スポーツ(Electronic Sports)」の略で、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称です。一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)では、以下のように定義されています。

「eスポーツ(esports)」とは、「エレクトロニック・スポーツ」の略で、広義には、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称。

引用元:eスポーツとは(JeSU)

ご存知のとおり、1990年代に家庭用ビデオゲーム機器が広く普及したことに付随して、日本では格闘ゲームが大きなブームへと発展しました。「ストリートファイターII」や「餓狼伝説」、「ザ・キング・オブ・ファイターズ」など、友達の家やゲームセンターのアーケードで夢中になってプレイした経験がある方もいるのではないでしょうか?

また欧米では、CPL(Cyberathlete Professional League)やPGL(Professional Gamers Leagueといった「プレイヤーのプロ化」の文化が芽生え始め、インターネットの普及と共にその考え方が広く浸透。その流れの中で、2000年に「eスポーツ」という単語が使われ始めました。

オリンピックもeスポーツ採用を発表

言葉として「eスポーツ」が誕生してから20年以上が経過した現在、その市場規模は確実に伸びています。2021年4月にゲーム総合情報メディア「ファミ通」が発表したデータによると、2020年時点での国内市場規模は66.8億円で、その後も引き続き成長していく想定が描かれています。

言葉としての認知度は、10代後半から30代後半にかけて非常に高く、2019年からは茨城県での国民体育大会(いきいき茨城ゆめ国体)の「文化プログラム」として開催。以降、毎年採択されているという状況もあり、認知率は継続的に上がっているといえます。

もちろん、“スポーツ”という言葉からの想起に関連して、リアルスポーツイベントでの導入・連携も進んでいます。たとえば2022年に浙江省杭州市で開催される「第19回アジア競技大会」では、正式種目として初めて、8種目のeスポーツが加えられました。また、国際オリンピック委員会(IOC)は、2021年4月に、eスポーツタイトルを競技種目とするOlympic Virtual Series(OVS)を発表し、史上初めてのオリンピック種目としてのeスポーツ大会の開催を示しました。

このような競技人口増加トレンドによって、たとえば自治体からの町おこしや若者誘致の手段として着目されることも多くなっており、ゲーム業界以外からの進出も増えている状況です。

影澤
「eスポーツといえばこのような、大勢が集まるイベントとして盛り上がることも多いのですが、2020年以降のコロナ禍ではオンライン開催ないしはオンオフのハイブリッド開催など、ここまでの集合するようなイベントはなかなか開催できていません。今後状況を見て復活させていきたいというのが、業界全体の希望だと言えるでしょう」

課題は「収益構造」と「ファンの獲得」

それでは、このeスポーツにはどのような課題があるのでしょうか。セッションでは「収益構造」と「ファンの獲得」の2点が挙げられました。

まずは収益構造について。現在のeスポーツにおける主な収益構造は以下の図のようなものが一般的となっています。

スポンサーとなる企業が、スポンサー料やメディア向け広告料等を支払うことで回る、という仕組みです。しかし、昨今のメディアビジネス全般のトレンドとして、メディアの収益構造におけるスポンサードビジネスへの依存は要注意です。広告の出向がいつまで続くのかが未知数ですし、流行り廃りによる影響も否めません。つまり、スポンサードモデル以外のビジネスモデルの模索が、現在のeスポーツ業界の大きな課題の一つとなります。

そして、もう一つの課題が「ファンの獲得」です。以下、NTTe-Sportsによる調査結果のとおり、eスポーツの認知そのものは8割を超えているのですが、そこから「興味」を持った人は16%にとどまり、また実際に「経験」にまで至った人は8%という結果が明らかになっています。

つまり、eスポーツにおいてはそのファン層をさらに増やし、他のリアルスポーツと同等まで価値を高めていく必要があるといえます。

以下は、「eスポーツを活性化させるための方策に関する検討会」が2020年に発表した資料において、市場規模の拡張に向けて提示された図です。

画像:長期視点での直接市場規模算出アプローチ(eスポーツを活性化させるための方策に関する検討会「日本のeスポーツの発展に向けて」p19)

既存の「直接市場規模」は右図の濃い青色の四角領域で、その周囲の薄い青色が「間接市場規模」となります。この市場規模の要因がここでは「ファン数」と「1人あたりの価値」(市場規模をファン数で割って算出したもの)で軸設定されています。

目標ファン数については、国内プロ野球などの他プロスポーツの指標や現状のゲーム人口に鑑みて設定することが大切だとされています。また1人あたりの価値については、韓国のようなeスポーツ先進国を参考にしたり、産業としての価値の伸び率から算出・設定することが重要だとされています。

ちなみに、経済産業省による資料では以下のとおり、2025年までの目標が仮に設定されています。

画像:長期視点での直接市場規模算出アプローチ(eスポーツを活性化させるための方策に関する検討会「日本のeスポーツの発展に向けて」p21)

影澤
「eスポーツの普及については、2025年の大阪万博や2026年の名古屋アジア競技大会に向けて、まさに今が正念場というタイミングだと考えています。だからこそ、ファン数 × 1人あたりの価値 を高めていくことが非常に重要となります」

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以上、まずは前編でした。後編では、ここで見ていった課題に対してNTTe-Sportsが取り組んでいることについてお伝えします。お楽しみに!

本記事でレポートしているセッションについて、動画がこちらからどうぞ!
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株式会社NTTe-Sports:https://www.ntte-sports.co.jp/


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